脳や末梢神経などの異常

脳神経内科イメージ

脳神経内科では、脳、脊髄、さらには末梢神経、神経と筋肉の間、筋肉などの病気を専門に扱います。これらの器官に異常が起こると、頭痛をはじめとして、めまい、しびれ、物忘れなどに悩まされるようになります。体に力が入らない、歩きにくい、頭痛が繰り返される、手足が思い通りに動かせない、意識障害が起こったという場合は、脳神経に何らかの病気が生じている可能性があります。

このような症状の方は脳神経内科を受診ください
  • 全身に痙攣が起こった
  • 手足や顔の筋肉をうまく動かせない
  • 頭が痛い
  • 手足に力が入らない
  • 手足が麻痺している
  • ろれつが回らない
  • 周囲の景色がよく見えない
  • 物が二重に見える
  • 物忘れがひどくなった
  • 意識していないのに体が勝手にビクッと動く
  • 筋肉が萎縮してきた
  • めまいがする
  • 意識が混濁している
  • など

16列マルチスライスCTを導入しています

当院では、最新の16列マルチスライスCTスキャナを導入しているため、詳細な頭部の検査を行うことができます。この装置は1回の撮影で16列の断面を同時に撮影できる高水準のマルチスライス技術を搭載しています。検査時間は従来の機器よりも短縮されており、迅速に検査していきます。被曝量も40%ほど低減されているため、患者さまへの負担も大幅に軽減することができます。

主な疾患

脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)、パーキンソン病(神経難病) など

脳梗塞

脳梗塞は脳血管の一部に問題が起こり、その先の血管に酸素や栄養が送られなくなって脳細胞が壊死してしまう病気です。脳の血管が細くなったり、血のかたまりが血管を詰まらせたりすると、その先に血液が届かなくなって発症します。詰まった場所によっても異なりますが、知覚障害、運動障害、意識障害など、多様な症状が出現します。

なお、脳梗塞は詰まる血管の太さや詰まり方によって主に3つのタイプに分けられます。1つめは、太い血管から枝分かれした細い血管が詰まってしまう「ラクナ梗塞」です。高血圧の治療をきちんと受けていない方に多くみられます。2つめは、動脈硬化で狭くなった太い血管に血栓が生じ、血管が詰まってしまう「アテローム血栓性脳梗塞」です。高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が主な原因になります。3つめは、心臓内で作られた血のかたまりが血流に乗って脳まで運ばれ、脳の太い血管を詰まらせてしまう「心原性脳塞栓症」です。心房細動の患者さまに起こりやすいといわれています。

脳出血

脳出血は、脳の内部にある血管が破れてしまう疾患です。患者さまによっても異なりますが、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐などが起こります。片方の手足が麻痺したり、しびれなどによって体を思うように動かせなくなることもあります。主な原因は、高血圧などの生活習慣病による動脈硬化です。こうした患者さまの血管は弾力性を失って脆くなっているため、脳血管に強い圧力が加わったときなどに、脳の血管が破れて脳出血してしまうのです。

なお脳内で出血した血液量が多くなると、血腫などが原因となって脳内部の圧力が高くなります。これに伴い、周囲の正常な脳細胞を圧迫していくようになります。非常につらい痛み、麻痺、感覚障害などの後遺症が起きることも少なくありません。治療に関していうと、出血が多くて生命に影響が及んでいるという場合は外科的治療による手術療法を検討しますが、そうでなければ薬物療法で対応します。緊急での入院が必要なことが多く、近隣の総合病院へご紹介させて頂きます。

くも膜下出血

くも膜下出血という名前を聞いたことがある方も多いと思います。この疾患は脳動脈にできた瘤(動脈瘤)が破裂し、くも膜下腔に出血が起こります。嘔吐やけいれん、意識消失を伴うこともあります。発症時には非常に強い痛みが突然起きると言われていますが、出血の程度によっては頭痛がそれほど強くない場合もあります。しかし、いずれの場合でも早期の受診が欠かせません。急激な痛みがあるときはもちろんですが、視力低下、めまい、吐き気、嘔吐、意識障害、血圧の変化など、何らかの違和感を覚えたときはお早めに医療機関を受診するようにしてください。なお、くも膜下出血の発症リスクを下げるには日頃から脳ドックを受診することも大切です。

パーキンソン病(神経難病)

パーキンソン病は、神経難病の中でもとくによく知られている病気です。αシヌクレインというタンパク質がたまることで脳の神経細胞が変性し脱落してしまい、神経伝達物質の一種であるドパミンの量が低下します。これによって情報伝達経路がうまく働かなくなってしまい、日常生活に影響が出ます。具体的には、自分の意思に反して手足が震えてしまうのを抑えられない、歩く際に前傾姿勢となる、歩幅が狭くなってしまう、手の振りが無くなる、顔の表情が硬くなってきた、便秘、臭いが分からなくなるなどの症状が起こります。

なお、神経難病に指定されている病気には、パーキンソン病のほかにも、筋萎縮性側索硬化症、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、脊髄小脳萎縮症、多発性硬化症、視神経脊髄炎、重症筋無力症、筋ジストロフィーなどがあります。当院ではこれらの病気の診断・治療が行えます。